地上性トカゲとは
基本的に地上で生活するトカゲ。
たいていの種は木に登ったりするなどの立体活動も行います。
ひとくくりに地上性トカゲとは言っても、砂漠にいるような乾燥系の種から、
森林に生息する多湿系の種まで様々なタイプのトカゲが存在します。
種によって飼育難易度はさまざま。
※砂漠に住むサバクツノトカゲ。地上性のトカゲの中では飼育難易度は非常に高い。
購入の際の個体の選び方
痩せている個体は避けましょう。
腰骨が浮いているような個体を購入しないようにしてください。
肉食や昆虫食の種は痩せていてもエサさえ食べていれば立ち直ることとも多いですが、
草食性の種は一度状態を崩すとそこからの回復は困難です。
やはり食いっぷりの良い個体を選ぶのが一番でしょう。
ショップでそれを確認してからお迎えしてあげるのが良いです。
また生後間もないベビーはなるべく避けたほうが無難です。
特に爬虫類飼育に慣れてない方はヤングかアダルトのエサ食いの良い個体を選ぶのが良いでしょう。
ケージの選び方
バスキングスポットが必要な種にはケージ内に温度勾配をつけるため広いケージが必要となります。
バスキングスポットが必要でない種にはそれなりの広さで良いでしょう。
高温なスポットが必要な種ほど活発で、必要のない種は不活発な傾向にあるのも理由の一つです。
狭いケージでバスキングランプを使うとケージ全体が熱くなってしまいます。
トゲオアガマなどの60度ものスポットを好む種などは特に広いケージを用意してあげます。
乾燥を好む種には通気性の良いケージを使ってあげましょう。
※比較的高温なスポットを好むフトアゴヒゲトカゲのケージの例。幅120センチの水槽。
ホットスポットとクールスポットがしっかりと別れている。
床材の選び方
乾燥系の種にはデザートサンドなどの砂系。
多湿性の種にはヤシガラマットなどの保湿力の高い床材を選んであげます。
その種がもともとはどんな場所に生息しているかを調べたり、ショップの人にしっかりと聞くなどしてその種にあった床材を探しましょう。
紫外線ライトの選び方
昼行性の種には必要不可欠な紫外線。砂漠系の種にはメタルハライドランプなどの強い紫外線が出るものを使ってあげましょう。
紫外線ライトをケージの中に設置するか、ケージの外から照射するかでも選び方は変わります。
基本的には紫外線の強いものやバスキングランプの役割も兼ねているものは外から照射することが多いです。
飼う種がどれほどの紫外線要求量かを知り、それに合わせて選んであげましょう。
※よく用いられるスパイラルタイプの紫外線ライト。紫外線の量も強いタイプと弱いタイプがある。
保温の重要性
地上性ということは、地面の熱で体温を保っていることになります。
特に這いずりながら移動するタイプのトカゲは腹部を冷やすと一気に状態を崩したりします。
なのでケージの底面からパネルヒーターなどで保温し、地表が常にポカポカしている感じを再現したいです。
その際は熱くなったら逃げられるようにパネルヒーターはケージの半分くらいの面積に敷くようにしましょう。
バスキングスポットが必要な種にはスポットを設けてあげましょう。設置の際はあくまでケージの1カ所を局所的に温めるようにしてください。体を暖めてから活動し、暖まり過ぎたら涼しい場所で体を冷やして、また暖まるというのを繰り返しています。
夜間は昼間よりは温度を下げますが冷えすぎないように夜間保温球やヒーターなどで温度を調節します。
温度計でしっかりと温度を確認して適温をキープしてあげましょう。
夏はクーラーをつけっぱなしにすることになります。これはどの爬虫類においても言えることです。冬も早い話暖房をつけっぱなしにすれば大きな事故は防げます。
主なエサと与え方
チャクワラやトゲオアガマは草食性ですが、それ以外の種は基本的には昆虫を主に食べます。
餌を与える際には基本的にカルシウム剤をダスティングしてあげます。
餌を与える方法はピンセットなどで直接あげる、餌入れに入れて置く、ケージ内に放虫するなどの方法があります。
食べた量をしっかり確認できるのでピンセットなどで直接与えるのが理想ですが、食べない場合は置き餌や放虫になります。
入り組んだレイアウトなどを組んでいると虫が隠れたりするのでできれば餌はその目でしっかり確認するのが良いでしょう。
コオロギは放虫したまま食べ残して放置すると夜間寝ているトカゲに噛みついたりするので、必ず取り除いてあげましょう。
ベビーサイズのトカゲにコオロギを与えるときはコオロギのトゲトゲした後ろ足を取ってから与えてあげましょう。
給餌の頻度は基本的にはベビーの頃は毎日1回食べなくなるまで与えます。
ある程度育ってヤングサイズになったら、週に2日ほど与えない日を作ります。
成体になったら3日に1度程度にして肥満を予防しましょう。
もちろん痩せ過ぎもよくないので、太り具合を見ながら適量をしっかりと見極めていくことが大切です。