ヒョウモントカゲモドキ(以下レオパ)は世界一人気のペット爬虫類です。ブリーダーも世界各国に多数存在し、日々新しい品種(以下モルフ)の作出に勤しんでいます。
ここではそのレオパのモルフについて持っておきたい知識を書きたいと思います。
モルフは大きく分けると、優性遺伝、共優性遺伝、劣性遺伝に分けられます。
優性遺伝
優性遺伝とはノーマルとかけあわせた時に、優性的にカラーや模様が出る遺伝のことです。
ノーマルでかけあわせたときに50%の確率で同じ表現の品種が生まれます。
共優性遺伝
共優性遺伝とは、同じ系統同士をかけ合わせるとスーパー体が生まれる遺伝のことを言います。スーパー体が生まれる確率は25%。
劣性遺伝
劣性遺伝とは、ノーマルと掛け合わせてもそのカラーや模様がでず、ノーマルしか生まれない遺伝のことを言います。品種の特徴は表現されませんが、遺伝子は持っていて、その状態の個体をヘテロと言います。ヘテロの個体は次世代でその持っている品種の表現が出る可能性があります。
セレクトブリード
遺伝を伴わない品種群。このセレクトブリードは、個体を選別していった際に形成されたモルフで、遺伝はともなわず、傾向として現れていきます。
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色彩の変異
ハイポ系
・ハイイエロー
一番最初にセレクトブリードによって作出された、地の黄色味が強いモルフ。現在ではノーマルとほぼ同じとさえ言えます。
・タンジェリン
地の色合いが濃いオレンジのモルフです。
・ハイポ
背中の黒点が少なく、地色の面積が広いモルフです。タンジェリン同士を掛け合わせてできるスーパーハイポは頭部の黒点もほとんどありません。
↓スーパーハイポタンジェリン↓
うちのレオパの中にもこのスーパーハイポタンジェリンがいます。
お値段は1万円ちょっとでした。
・エメリン
エメラルドとも呼ばれます。雲状の暗色部が緑みを帯びて見えるモルフです。
エニグマ系
・エニグマ
不可思議、謎めいたといった意味合いのモルフ。体のところどころにアザ状のラベンダー斑が出ます。尻尾は全体的に白っぽく、頭部には点状の斑があることが多いです。優性遺伝で、様々な新しいコンボモルフを生み出しています。
スノー系
・マックスノー
共優性遺伝を持つスノーで、ベビーの時は白っぽく、成長につれ淡いクリーム色になっていきます。
・スーパーマックスノー
マックスノー×マックスノーで生まれるスーパー体。
ベビーの時は薄紫の体色をしています。斑紋はドット状か、細かい斑点状。目が黒くなるのも大きな特徴です。うちのレオパの中にもこのスーパーマックスノーの子がいます。(四年前の購入時、生体のお値段は20000円強でした)
・アーバンスノー
このスノーは共優性遺伝ではなく、優性遺伝です。セレクトブリードにより作出されたと言われています。細かい模様も特徴の一つ。
白化系
・リューシスティック(パターンレス)
リューシスティックとは白化という意味ですが、このモルフは白化というより模様が完全に無くなったという表現が正しいです。頭部も含め、体には一切の斑紋がありません。色合いはクリーム色から肌色。
・ブリザード
このモルフこそ白化(リューシスティック)と言えるでしょう。こちらも体に斑紋は一切なく、色は白、灰色、ラベンダーグレー。
アルビノ系
・トレンパーアルビノ
アメリカのブリーダーのRon Tremper氏によって作出された、最もポピュラーなアルビノ。単にアルビノと表記されているのは全てこのトレンパーアルビノです。劣性遺伝。
・レインウォーターアルビノ
Tim Rainwater氏によって作出されたアルビノ。他のアルビノよりやや色調が軽く、目の色が暗いのが特徴。劣性遺伝。
・ベルアルビノ
Mark Bell氏によって作出されたアルビノです。現在存在する3種のアルビノの中で最も最近発見されました。体色の地色はクリーム色が多く、斑紋は褐色が目立ちます。
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目の変異
エクリプス
眼全体が黒一色に見えるモルフ。アルビノは眼全体が赤くなります。
↓うちのレオパの中の1匹。この子はエクリプスです。
この子はショップの店員さんが作出しました。コンボモルフであるAPTORやエメリン、エニグマなど様々な遺伝子が入っています。ピンクに近いラベンダー色に、サイドには薄く黄色いラインが入っている超美麗個体(親バカ)
スネークアイ
エクリプスからランダムで表れる、目の半分が単色になるモルフ。エクリプスとスネークアイのどっちが出るかは完全にランダム。片目がスネークアイで片目がエクリプスといった表れ方もします。
模様の変異
ジャングル
暗色部が途切れたバンド状、または交互に入り乱れたような模様をしています。
ストライプ
体側に沿って暗色の条線模様が入ります。背中の中央部は明色になります。
リバースストライプ
通常のストライプと異なり、背中の中央部に暗色の条線模様が出ます。
キャロットテール
尻尾に濃いオレンジが乗ってくるもの。
大きさの変異
ジャイアント
Ron Tremper氏によって作出された100gを超える大型のモルフ。共優性遺伝。
スーパージャイアント
ジャイアント×ジャイアントで生まれるスーパー体。130gを超える大型のモルフです。
普通のレオパの平均体重はだいたい70g程度なのを考えるとかなり巨大です。
<↓ノーマルサイズとスーパージャイアントのサイズの比較。まさに一目瞭然>
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