ヘルマンリクガメとは
ヘルマンリクガメはリクガメ飼育の入門種として人気で、飼育のしやすいリクガメです。
ヘルマンリクガメはヒガシヘルマンリクガメ、ニシヘルマンリクガメ、ダルマティアヘルマンリクガメと三亜種がいますが、ショップで売られているものはヒガシヘルマンリクガメかニシヘルマンリクガメ。
生息地
スペイン、イタリア、フランス南部からトルコ西部にかけて地中海沿岸地域に広く分布しています。
森林や低木のある草原などのやや乾燥した地域に生息しています。
日本よりやや暖かい環境で生活していますが、現地は日本と同じく四季があり、冬には冬眠をします。
食べているもの
植物食傾向の強い雑食。
草や木の葉、果実。
昆虫や陸棲の貝類など。
(世界各国に生息するキセルガイと呼ばれる陸棲の貝類。地中海沿岸にも幅広く分布)
甲長
15〜35cm
亜種によってサイズが異なります。
一番大きくなるのはヘルマンリクガメで最大で甲長が30センチを超える個体もいます。一番小さいのはダルマティアヘルマンリクガメで最大でも甲長は16~17センチほどです。
(俗にピンポンサイズと言われる生まれたばかりのヘルマンリクガメのベビー。甲長は3センチ程度)
活動
昼行性。リクガメ全般に言えますが、野生のヘルマンリクガメは驚くほど歩き回ります。毎日数km~以上は歩いているようでその運動量は非常に多いです。
飼育の際はできれば広いケージで飼ってあげたいですね。
繁殖形態
卵生。
1度に2〜12個の卵を産む。
繁殖期は春ですが秋に交尾を行うこともあるようです。
寿命
ヘルマンリクガメの寿命は約35~50年。さすがカメといったところでペットとしては非常に長寿です。しっかりとした飼育環境で飼育してあげれば生涯を共にできます。
サイテス
II類。
駆除や乱獲、生息地の環境破壊などの影響で個体数は年々減少傾向にあり、現在では生息地で保護活動が行われており、国外の輸出も制限されています。
現在ショップで購入できるヘルマンリクガメはブリーダーなどが自家繁殖したCB個体のみが流通しています。
サイテスについてはこちら
適した飼育環境
日本に近い環境に生息しているだけあった低温にもそこまで弱くなく、21~27℃くらいをキープしてあげれば問題ないです。
日中35〜40℃くらいのバスキングスポットを用意してあげるとそこで体を温めます。
湿度も比較的アバウトでよく、過乾燥(湿度25%以下)や多湿(70%以上)にならないように気を付ければ良いでしょう。
ただ、ヘルマンリクガメは蒸れた環境が苦手なので、通気だけはしっかりとできる環境で飼育してあげてください。
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ヘルマンリクガメの購入価格の目安
サイズによって価格は変わりますが、だいたい15000〜25000円程度です。
人気種だけあってショップには常に安定して入荷があり、一年中買うことができます。
ヘルマンリクガメの飼育に必要な設備・環境
ケージ
ヘルマンリクガメは運動量が多いので、最低でも横60センチ以上、できれば90センチ以上、奥行きも45センチ以上のものにしてください。
ヘルマンリクガメは蒸れた環境を嫌うのである程度の通気性のあるケージを選びましょう。
床材
細かいタイプのヤシガラなどを敷いてあげると良いです。
ココナッツチップもオススメです。
水容器
浅くて倒れにくいものを用意してあげましょう。
ヘルマンリクガメの体がまるまる入るくらいの少し大きめのサイズのものが良いです。
水はできるだけこまめに変えて綺麗な水が常にあるようにしてあげます。
バスキングランプ、紫外線ライト
ケージの一部照射して35~40度くらいのホットスポットを作ってあげてください。
紫外線の出るライトを用意してあげてください。
強い紫外線が出るライトじゃなくて構いません。
シェルター
隠れる場所があることでヘルマンリクガメのストレスが減ります。
シェルターといっても色々なタイプのシェルターがありますが、ヘルマンリクガメが隠れルことができる、少し大きめのものを用意してあげましょう。
パネルヒーター
腹部を冷やすと状態を崩すのでケージ底面の三分の一程度の面積にパネルヒーターを敷いてあげましょう。
温度
温度を確認するために温度計を用意しましょう。
ホットスポット以外の場所は21〜27度くらいにしてあげましょう。
寒い時期はセラミックヒーターや遠赤外線ヒーターでの保温が必要になります。
夏の猛暑日はクーラーをつけっぱなしにすることになります。その日の気温をしっかり確認してオーバーヒートさせないようにします。
冬も暖房をつけっぱなしにすれば大きな事故は防げます。
湿度
湿度を確認するため湿度計を用意してください。
30〜50%くらいに保ちましょう。
蒸れた環境を作らないように通気をしっかり確保してください。
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ヘルマンリクガメの餌
主なエサ
小松菜、チンゲン菜、サラダ菜、モロヘイヤ、人参、カボチャのスライスなど。餌には数日に1回カルシウム剤を添付してあげてください。
毎日食べるだけ与えて良いです。
ヘルマンリクガメは野生化では昆虫なども食べますが、飼育する際は植物性の餌のみで良いです。
ヘルマンリクガメは食欲旺盛です!
ヘルマンリクガメ飼育での注意点
ホットスポットはケージ全体にしないようにしましょう。
幼体時は寒さに弱いので20度を下回らないようにしっかり温度管理しましょう。
ヘルマンリクガメがじゅうぶんに歩き回れるサイズのケージで飼育してください。
ケージの掃除などは生体にストレスを与えないように行いましょう。
ヘルマンリクガメの飼育のまとめ
飼いやすく、丈夫なリクガメです。
リクガメ飼育を始めようと思う方にはこのヘルマンリクガメがオススメ!
ショップでも多く見かけ、入手も容易です。
穏やかな性格で噛み付いたりもしてこない、ペットとして申し分のないリクガメです。
飼いやすさ:★★★★★
コスト:★★★
気性:穏やか、活発
入手難度:容易
(5段階評価)
※野菜を食べるヘルマンリクガメのベビー